第二節 死に対する理解


 この地上には父母がいて、師がいて、親戚がいます。この地には、そのような因縁を結んでいくことができる道がありますが、霊界にはそのようなものがありません。霊界では、すべて神様を中心として全体のために生きるのです。位置がすべて区別されています。それゆえ、上にいる人が下に来ることもできず、下にいる人が上に行くことも難しいのです。本来は、地上で完成してこそ霊界に行くことができるようになっています。一度あの世に入れば終わりです。どのみち人間は死ぬのです。

 生涯の路程は、あまりにも短いのです。一生はあまりにも短いのです。人の寿命が八十年だとすると、あまりにも短いのです。霊界の時間では八時間にもならない時間です。すなわち永遠の世界の時間で考えれば、八時間にもならないのです。ですから、真の愛の力は偉大なのです。真の愛は、時間と空間を超越し、我々が認識できないほど速く作用するのです。

 間違いなく霊界はあります。間違いなく霊界は実在し、我々人間は、霊界から生まれたために、いずれ霊界に帰らざるを得ません。韓国の言葉の中で、おもしろい言葉があります。「トラガンダ(帰る、亡くなる)」という言葉です。どこに帰るのでしょうか。共同墓地に行くのは、帰ることではありません。出発した故郷に帰るということです。その出発は共同墓地ではありません。果てしなく遠い歴史の起源を越えて帰るという意味です。
 
 人間が帰る(亡くなる)ということは、韓国人として生まれて、韓国人として帰る(亡くなる)ということを言うのではありません。韓国人として死にましたが、韓国人として帰るというその道ではないのです。我々人類の先祖の根源の世界に帰るという意味です。それは何を言うのでしょうか。創造主がいらっしゃるなら、その創造主がいらっしゃる所に帰るということです。そこから出発したので、そこに帰るのです。

 宇宙は、循環作用をします。山に積もっている雪が解けるようになれば、小さな渓谷を通じて流れていき、多くの支流を通じて大海に流れ込みます。大海に入るようになれば、それが水蒸気になって、再び帰るのです。循環運動をします。同様に、帰ろうとすれば、どこに帰るのでしょうか。高くなれる所に、もっと良くなれる所に帰ることを願います。誰も小さくなることを願いません。しかし、すべての自然界の運動法則というものは、作用すれば小さくなるようになっています。作用すれば、だんだん小さくなるのです。我々が何かを転がしてみても、それが永遠に転がらないのです。早く転がっていた物も、だんだん遅くなり停止するようになります。

 我々は、この世の中に暮らしていますが、この世の中だけがあるのではなく、霊界もあります。ところが、この世の中と霊界は、二つの世界ではなく、一つの世界としてつながっています。では、我々が行くべき所、我々が行って暮らすべきその所とはどこでしょうか。もちろん我々は、肉身生活をしながらこの地にいますが、永遠の世界に向かっているのです。人は誰しも世の中に生まれて、十代、二十代、三十代、中年、壮年、老年時代を経ていきます。青春時代を過ごして、壮年時代に入るようになれば、一つの峠を越えて、その次には老年時代に入るようになるのです。このように沈む日のように、一生を終えます。

 しかし、霊界があるという事実を知る人たちは、一生はちょっとの間であり、死んだのちに我々が迎えるべき世界が永遠だということを知っています。ゆえに、一生は、永遠の世界のために準備する期間と思って、準備する一生を送るのです。

 「死」という単語を使った目的は、人生の意味を知るためです。では、人生の価値は誰がよく知っているのでしょうか。生きようとする人は分かりません。死の境地に入って、生死の岐路で、天にしがみついて人生の価値を打診してみた人でなければ分からないのです。

 では人間は、死を歓迎すべきでしょうか、歓迎してはいけませんか。歓迎すべきです。死ぬのに、何のために死ぬのかというときに、「神様の真の愛のために死ぬ」と言うべきです。それゆえ肉身を脱ぐのは、無限の神様の愛の活動圏に自分が同席するためであり、神様の愛の世界のためにそうするのです。

 神様の愛の中で生まれることが、死ぬことですが、人間世界では、「ああ、死ぬ」と大騒ぎするのです。制限された愛の圏内から、無制限の愛の圏内に突入し得る喜びを迎えることのできる瞬間が、死ぬ瞬間です。ゆえに死ぬ瞬間が、第二の出生の瞬間です。

 そうであるなら、神様は、皆さんの肉身が生まれた日を喜ぶでしょうか。第二の無限の世界の愛のために活動する子女として生まれるその瞬間を喜ぶでしょうか。なぜこのような話をするのか分かりますか。皆さんが死の恐怖から解脱せずには、神様と関係を結ぶことができないからです。

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